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物語の細部読解part6「性格」

こんにちは!
お助け中学入試国語 ゆりです。

性格をつかもう!

今回は「登場人物の性格」を答える問題について解説したいと思います。

国語で問われる性格

さて、皆さんは相手のどういうところから性格を判断されますか?

例えば、電車の中でご老人に席を譲っていたら?
いつも荒っぽい口調で話していたら?
ちょっとした物音にもびくついていたら?
いつ見てもニコニコしていたら?

それぞれ、上から「優しい・乱暴・怖がり・朗らか」などの性格の言葉が思いつきます。

我々は、ある人の性格を「表情・行動・セリフ」などから総合的に判断しています。
これは、文章中でも同じなのですね。

「総合的に」というのは、文章中の「表情・行動・セリフ」を全て総合してということですから、ある一面だけを切り取って性格を判断することはできません。
好きな人が隣にいるときは、誰でも多少は素の自分を隠して取り繕うものですよね。

しかし、その取り繕った顔もまた、その人の性格の一面であることを忘れてはなりません。
人は、中にたくさんの性格を宿しているのです。
問題を解くときは、与えられた条件をもとに、文章中で特に目立って描かれる、中心となる性格を読み取る必要があるのです。

入試問題を見てみましょう。

2017年常翔学園中

2017年常翔学園中より。
ー線①「自分の性分」とありますが…
「自分の性分」がよく表れている一文をこれより後の本文中から探し、はじめの五字をぬき出して答えなさい。

→まず「自分の性分」を性格の言葉で一般化しておきましょう。
ー線①の直前に、倒木の処理をするのに、材木にするのではないから適当でいいはずが、丁寧に枝を落としている姿が描かれています。
ここから、彼の性格は「真面目・慎重・りちぎ」なものであることが読み取れます。
あとは、ー線①の後から、彼の「真面目・慎重・りちぎ」さがわかる一文を探していきます。
ここからは「絨毯爆撃的」ですね。
とりあえず「真面目・慎重・りちぎ」を頭に置きながら、話題となっている人物の「表情・セリフ・行動」をひたすら追いかけるのです。
すると、同じ倒木の処理をしている場面で「しゃがみ込んで切り口の年輪を数えた真一は、慎重にもう一度数え直しながら言った」が見つかるわけです。

2017年近大附属中

次に2017年の近大附属中より。
ー線部③「末永の性格」とありますが、ここでは彼のどのような性格をさしていますか。文章中のこれよりも、前の部分から、「〜性格。」に続くように十一字で抜き出して答えなさい。

→まず、傍線部を含む一文を読むと「末永の性格からすると、途中で投げださないともかぎらない。」とあります。
ここから、彼の「不真面目・だらしない・気まぐれ・ルーズ・面倒くさがり」な性格が読み取れます。
後は、先ほどの常翔学園と同じアプローチで「絨毯爆撃的」に答えを探しましょう。
すると、直前の場面で「武藤が練習熱心なのに対して、末永は〜」という部分が見つかります。「武藤」の性格に対して「末永」のことを述べているわけですから、ここが答えになりそうです。
読むと「すぐに手をぬこうとする」があり、条件にもぴったり合うため、これが正解だと考えられます。

このように、直接的に性格を聞く問題もありますが、心情を聞く問題の材料に使われることがあるのも見逃せません。

例えば「A君がが大きな声で挨拶をしてきたので、驚いた気持ち。」と記述したとき、皆さんは説明不足を感じられませんか?
なぜ大きな声で挨拶をしたくらいのことで、A君は驚かれなければならないのでしょう?
そこに言及していないのが、説明不足ということなのですね。
A君が、ふだんは「大人しく・引っ込み思案・内向的・消極的」な人物であればどうでしょうか。
いきなり大きな声で挨拶をしてくると、驚くのも無理はありませんよね。
この場合は「いつもは消極的であまり大きな声を出さないA君が、今日は大きな声で挨拶をしてきたので、驚く気持ち。」となるわけです。

登場人物を性格でカテゴライズする力があれば、「だいたいこういう流れの話だろう」という予測も立ちやすくなりますし、選択肢問題で消去法を使うときにも役立ちます
「この性格の彼が、このような行動をしている選択肢は選べないだろう!」といった感じですね。

おわりに

いかがでしょうか?
性格は文章全体から判断できます。
ということは、文章全体を貫く、一貫した重要な要素であるとも言えるのです。
物語文を苦手とする子は、この性格を物語文の登場人物に与えることができず、まるで機械であるかのように読み、この一貫した要素を捉えられないことがあるのですね。
当然、登場人物は架空の人物とはいえ、血の通った人間なのですから、それでは心情の問題にも対応できず、見当違いな材料をまとめたり、明らかにおかしい選択肢にひっかかったりするわけです。

お子様と、「このような表情・行動・セリフを使う人は、このような性格だと言える」ということを学んでいだだければと思います!

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皆様とお子様が、笑顔で中学入試を迎えられますように。

お助け中学入試国語 ゆり