ゆりのお助け中学入試国語!

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物語の細部読解part3「心情その2」

こんにちは!
お助け中学入試国語 ゆりです。

心情の流れをつかもう!

前回に引き続き、今回も「心情の流れ」の解説をしていきます。

前回は、心情は以下の①〜③の順に流れていくということをお話ししました。

①理由となる出来事(本文中にある)

②心情(本文中に直接書いていない)

③心情表現(本文中にある)

心情の問題は、この③の部分に傍線が引いてあることがほとんどです。
そして、答えになるのは、③に至るまでの心情の流れ。
つまり、①と②をセットにして書けばいいのですね。

入試問題でチェック!

今回の記事では、具体的な入試問題を取り上げ、答えがどのような構成になっているかを考えたいと思います。

2017年松蔭中

まずは2017年松蔭中より。
ー線③「俺は手が震えた」について…そのときの心の状態として適当なものを一つ選び、記号で答えなさい。
ア恐怖 イ驚き ウためらい エ緊張

また、このような心の状態になったのはなぜですか。次からあてはまらないものを二つ選び、記号で答えなさい。
ア 父親の期待にこたえたかったから。
イ 早く切らないといけないと思ったから。
ウ 初めての経験だったから。
エ 渡された包丁が今までより重かったから。
オ 弟よりもうまくやりたかったから。

前者の問題が②の心情を答えるものです。
後者の問題が①の理由となる出来事にあたります。
そしてー線部の「俺は手が震えた」が③の心情表現ということです。
記述形式でまとめると、主人公は「父の期待に応えたく、初めて持った包丁で、弟よりもうまくやりたいと思い、緊張する気持ち」でいたということなのですね。
この松蔭中の問題を見ると、中学校の先生方が、理由と心情、心情表現のつながりを聞きたいということがよくわかります。

2017年松蔭中その2

同じく2017年松蔭中より。
ー線⑦「目からは涙がぼろぼろ出た」とあるが、そのときの気持ちを四十字以内で説明しなさい。
一番オーソドックスな形の心情記述です。
①+②の「〜ので〜気持ち。」という形で答えられるので、あとはー線部の近辺より材料を集めに行きましょう。
すると、ー線部の直前で、ジャガイモを切るのに失敗した主人公の様子が描かれています。また、それまでの流れで、父が主人公に期待していたことも描かれていました。
これらをまとめてマイナスの気持ちの言葉につなげるといいのです。
答えは「ジャガイモを上手く切ることができなかったため父の期待に応えられず、悲しい気持ち。」となるのです。

2016年箕面自由学園中

次は、箕面自由学園中より。
ー線部⑤「恥ずかしいのに腹立たしい」とありますが、何が恥ずかしくて腹立たしいのかを五十字以内で説明しなさい。

これは、②の心情の言葉が文章中に書いてあるパターンです。
②が問題の中心になっているわけですから、答えは①の理由となる出来事だけをまとめればよいのです。
ただし「恥ずかしい」と「腹立たしい」の複数の心情に傍線があることに注意しましょう。当然、その理由となる出来事も複数あることになります。
答えは「男子部員の気持ちを理解していなかった(恥ずかしさの理由)ことと、それを素直に認めることができない(腹立たしい理由)自分。」となるのですね。

2017年桃山学院中

続いて、2017年の桃山学院中より。

ー部⑦「私には私の、別の道があるんじゃないか」とありますが、この時の「私」の気持ちの説明として正しいものを選び、記号で答えなさい。

ア 御木元さんの一言をきっかけにこれからも音楽の道で生きていくことをあらためて決意できて感謝している。
イ 御木元さんの一言をきっかけに自分の音楽の才能の未熟さが感じられ今まで以上に努力しようと奮い立っている。
ウ 御木元さんの一言をきっかけに自分なりの音楽との関わり方に気づくことができてすがすがしく感じている。
エ 御木元さんの一言をきっかけに自分が音楽で生計を立てられない現実を痛感させられ打ちひしがれている。

全て「御木元さんの一言をきっかけに」から始まる①理由となる出来事 があり、②の心情(感謝・奮い立つ・すがすがしく・打ちひしがれて)で終わっています。
直前の段落には「御木元さんの一言」をプラスの受け取り方をしている表現があるので、イとエは選べません。
また、同じところに「音楽で身を立てない」とあるので、アもだめです。
答えは、ウになるのですね。

2017年大阪聖光学院

最後に、心情記述の応用編です。
2017年大阪星光学院より。
ー線部③「彼はそっと顔淵の顔をのぞいて見た」とありますが、なぜ子路はこのようにしたのですか。その理由を八十字以内で説明しなさい。

理由を説明しなさいとありますが、傍線部が行動(③ 心情表現)に引かれてありますので、答えるべきは①+②となります。「〜なので〜な気持ちだから。」とまとめるパターンですね。
しかし、それにしては字数が多いので、使うべき材料が多そうです。
やはりー線部の近辺より材料を集めましょう。
すると、ー線部の直後に「子路が述べた理想を嘲っているふうなど、微塵もなかった。子路はそれでひとまずほっとした」とあります。ということは、自分がどう思われているかが心配だったから顔をのぞいたのだとわかります。
これだけでは字数が足りないので、説明不足なようです。
あとは、ー線部の直前を使い、なぜ自分が嘲りを受けるかもしれないと考えたのかをまとめるといいのです。
答は「顔淵が述べた深い言葉と比べると、自分が述べた理想は上すべりした浅いものであると感じて、恥ずかしくなり、顔淵が自分を嘲っているのではないかと心配になったから。」となるわけです。
「①+②→①+②だから。」のように、基本的な記述の型を組み合わせて模範解答が作られていることがお分かりいただけたでしょうか。

おわりに

いかがでしょうか?
実は、中学入試で問われる心情の問題は、どれも①→②→③の流れをつかめば絶対に答えられるのです。

お子様が受けられた塾のテストも同じですから、もしバツやサンカクがついている場合は、問題や模範解答のどの部分が①→②→③のどこに当たるのかを考えてみてください。さらに、お子様の解答に何が足りないかを考えられれば、心情の間違い直しは完璧になると言えますね。

心情マスターへ向けて、がんばりましょう!




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皆様とお子様が、笑顔で中学入試を迎えられますように。

お助け中学入試国語 ゆり