ゆりのお助け中学入試国語!

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言語事項「問題のレベルを見抜こう!」ー塾で教える解法、全部見せますー

こんにちは!
お助け中学入試国語 ゆりです。

言語事項問題のレベルを見抜こう!

さて、「塾で教える解法シリーズ」も最終回です。
今回は「言語事項問題」のレベル設定をお話ししたいと思います。

さて、「言語事項問題」と一言にいっても、様々なものがあります。
以前の記事でもお話ししましたが、改めて挙げておきます。
www.otasukekokugo.com

・主語述語修飾語
・助詞助動詞の判別
・言葉の意味
・四字熟語
・慣用句
・ことわざ
・類義語
・対義語
・熟語の組み立て
同音異義語と同訓異字
・和語
・外来語
・敬語
などが挙げられます。

国語の力の中心は、語彙力です。
可能な限り多くの言葉の知識を仕入れていただきたいのですが、言語事項は範囲が広く、そればかり学習するわけにはいきません。

必要な分を、必要なだけ。
自分が受験する学校が、どのくらいのレベルの問題を出題するかを前もって知っておき、無駄のない学習計画を立てましょう。

四字熟語やことわざ・慣用句などの暗記物の学習のコツは、「浅く広くを繰り返し!」です。
人間の脳は、覚えるべきものとそうでないものの判断を自分ですることはできません。
「強い印象を持つ」「何度も繰り返される」といった刺激が与えられた場合のみ、長期記憶として頭に残ることになるのです。

主語述語修飾語や熟語の組み立てなどの、論理で答える系問題の学習のコツは、「解き方の法則を覚えたうえで、問題演習を繰り返すこと!」です。
まずは、どのようにその問題を解くかの理解が無いと、太刀打ちできません。
解法を理解した上で、問題演習を繰り返し、理解の不十分な部分を見抜き、穴を埋めるようにしましょう。

言語事項問題のレベルはどう決まる?

それでは、言語事項問題のレベルはどう決まるのでしょうか?
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この表は、言語事項問題のレベルを確定するときに私が使用しているものです。
が最も易しく、が最も難しい問題ということです。
次に、項目ごとの説明をします。
「頻出」…その言葉が、小学生の生活の中やテキストでもよく出てきたりする場合。
「まれ」…その言葉が、テキストの中でもあまり目にしない場合。
「定型」…出題形式が一般的でよく出てくる形である場合。
「非定型」…クイズ的な出題形式のように、あまり普段は見かけない場合。
「小学生レベル」…その言葉が、テキストではそれほどたくさん出てくるわけではないが、小学生のレベルは超えていない場合。
「中・高レベル」…テキストでもそれほど見かけない上に、小学生のレベルを超えている場合。

以上のような点から言語事項問題を分析し、問題をADの四つのレベルに分類するのです。
は90%の受験生が正解するもの。
は70%の受験生が正解するもの。
は40%の受験生が正解するもの。
は正答率が20%を切るもの。
このように問題にレベルをつけると、テスト全体の正答率の予測を立てることができます。
例えば、ADまで、それぞれ5点の問題を5問ずつ用意すると…
→5点×5問×90%=22.5点
→5点×5問×70%=17.5点
→5点×5問×40%=10点
→5点×5問×20%=5点
となり、予測正答率は55点となるわけです。

入試問題に当てはめてみよう

漢字の書き取りと同じく、言語事項の問題も、文章の中で使われている言葉の意味や関係を用いて出題されることもあれば、独立した大問を設置して言語事項の問題を作ることもあります。
やはり、後者のほうが難しい問題は作りやすい傾向にあります。
パズル的な出題がしやすいのも後者の方ですね。
入試の時に言語事項の問題でわからないものがあると、受験生は不安になります。
自分はこの問題を解くことができない。でも、他の子は正解しているのではないか。
そのような思い込みが自分を支配してしまい、ただいたずらに時間だけが過ぎていってしまいます。
結果、言語事項の問題が正解できないだけでなく、他の問題も時間が足らなくなってしまうのですね。
このような状態を防ぐためにも、自分が受験する学校の傾向をしっかりとつかんでおき、レベルを見抜き、撤退するべき問題は撤退するという姿勢を身に付ける必要があるのです。

レベル

・2016年開智中より
問 次のア~エの傍線を引いた漢字の送りがなが正しいものを一つ選び、記号で答えなさい。
ア 先生の指示に従がう
イ 弟が屋根から降る
ウ 態度を改ためる
エ 正しい結論を導く

→イの「降る」は、それはそれで正しい読み方として存在するのですが、今回の文脈では間違いです。「降りる」が正しい読み方ですね。
正解はエです。
どの訓読みも、一度は漢字テストで書いたことがあるものばかりでしょう。
出題に工夫があるわけでもないので、レベルとなります。

レベル

・2016年比叡山中より
問 次のA、Bの中から好きな言葉を一つずつ選び、三十字以上四十字以内で作文をしなさい。使う順番はどちらが先になってもかまいませんが、全体がまとまったものにすること。
A なぜ たぶん まるで もし まさか
B だから しかし つまり なぜなら あるいは

→どの言葉もよく目にするものですし、一度は使ったことがあるでしょう。
しかし、それらを二つ使い、意味の通る作文をするという形式で解いたことがある受験生は少ないでしょう。よって、レベルとなります。

レベル

・2015年灘中より
問 次の1~4の空欄には、「明々白々」のように、「々」が二度使われる四字熟語が入ります。( )内の意味を参考にして答えなさい。
1準備のできた人から、「 々 々」出発する。
(少しずつのまとまりになって行動する様子)

3「 々 々」まで大切に伝えられてきた家宝。
(ずっと後になっても血筋を引いている者たち)

4「 々 々」と新しいニュースが入ってくる。
(しだいしだいに物事が移り変わる様子)
→どの答(三々五々・子々孫々・時々刻々)も、小学生はほとんど目にしたことがないでしょう。
まれな出題の上に、どれも中学生以上のレベルの語彙です。
とはいえ、出題形式は単に四字熟語を完成させるというものですから、定型です。よってとなります。
ちなみに、上記の2の問題は「正々堂々」を答える問題です。
「正々堂々」は小学生レベルの出題ですから、レベルとなります。

レベル

・2014年灘中より
問 次の〈条件〉にしたがって、漢字のしりとりを完成させなさい。
〈条件1〉①~⑥に入る漢字は、「馬」と組み合わせて音読みの熟語が作れます。ただし、「馬」は一字目に用いても二字目に用いてもかまいません。
〈条件2〉空欄に入る漢字は読み方を変えてもかまいません。

①②―②体―体③―③学―学④―④中―中道―道具―具現―現実―実⑤―⑤将―将⑥

→問題を読んだだけで気が遠くなりそうですね…。
2017年には出題がありませんでしたが、毎年のように出題される、灘中恒例の漢字しりとりです。
つい考えたくなってしまうわりに、確実に正解できるとは限らない、魔物のような問題です。
指導の場面では、「他の問題を可能な限り解いたうえで、残り時間で一問でも思いつけばラッキーだ!」と言うものです。

①乗(馬) ②(馬)車 ③(馬)力 ④(馬)術 ⑤名(馬) ⑥軍(馬)

おわりに

いかがでしょうか?
敵を知り、己を知れば、百戦危うからず。
言語事項の学習は、まずは塾のテキストを確実に身に付けること!
その上で、確実に身に付けたはずの知識が太刀打ちできないものについては、勇気をもって撤退すること!

以上二点を意識して、入試問題演習を行っていただきたいと思います。
ですから、受験期までの通常のカリキュラム進行を確認するためのテストにある言語事項の問題は、確実に全て正解できるようにしましょう。
そうすれば、いざ入試問題に対応することになったときに、解くべき問題を判断することができますからね。

言語事項マスターを目指して、がんばりましょう!

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皆様とお子様が、笑顔で中学入試を迎えられますように。

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