文章理解の段階part5
こんにちは!
お助け中学入試国語 ゆりです。
段落・場面同士の関係を理解しよう!
前回は「段落・場面の理解」と題し、文章のうちの一かたまりをつかむことについてお話ししました。
今回は「段落と段落・場面と場面の関係を理解する段階」です。
この段階は、項目③でお話しした「文と文のつながり」が理解できている子は、すぐにつかむことができます。
なぜなら、結局はどちらも前後の論理関係をつかむことが大事な項目だからです。
説明文・論説文
まずは、説明文・論説文です。
項目④では、それぞれの段落の中心をとらえました。
今回は、その中心と中心の関係をとらえることが必要になります。
関係の例を挙げると…
・理由と結果
・反対の関係
・まとめと具体例
・似た例
などがあります。
どの段落がどのような話題を話しているか・どのようなつながりかをつかむことで、文章全体の流れがわかるようになります。
これができると、文章を読むスピードが飛躍的に上がります。
なぜなら「この三つの段落は同じ内容の具体例だから、一つにまとめて…」のように、広い段落のまとまり(意味段落)をつかめるからです。
流れるように話題をつかみながら、ものの1〜2分で読了し、問題に取り掛かることができるのですね。
当然、設問にあたる時間が多くなるため、正答率も上がるわけです。
この段階に至るには、まずは項目④の理解を確実にする必要があります。
それができれば、自然と関係もつかめてきます。
上記の関係のうちのどれにあたる?といった発問で、理解を誘導してあげましょう。
物語文の場合
続いて、物語文です。
場面の変化・基本
物語文では、場面の変化が主人公の心情の変化に直結する場合が多いです。
学校でけんかになったクラスメイトと、公園で偶然出会い、仲直りするといった流れですね。
物語文は、説明文・論説文ほど論理関係が明確ではないことが多いために「どの文が理解の中心か」ということがつかみにくいです。
まずは「いつ・どこで・だれが・どうした」の場面の要素を把握しましょう。
その項目のいずれかが大きく変化した部分が「場面の変化した部分」であるといえます。
以前もお話ししたように、きちんと頭の中に映像化できている子は、当たり前のように変化をつかむことができます。
場面の変化・応用
物語文においては途中に「過去の回想」が挿入されることがあります。
物語のキーとなる内容を主人公が思い出していることが多く、必ずチェックしなければなりません。
さらに、フィクションならではの「幻想的場面」の存在も知っておいてください。
「前の場面では現実の学校だったのが、クラスの扉を開くとなぜか昔の服を着た子供達が座っていて…実はそれは自分のおじいさんの子供時代だった」のようなパターンです。
物語文の作者は、気まぐれで幻想的場面を挿入することはありません。
話をクライマックスに向けて展開するために不可欠なものとして、幻想的場面を使用します。
それぞれの場面の心情・場面の役割をつかむことで、理解の最終段階である「主題」にたどり着くことができるのです。