ゆりのお助け中学入試国語!

「勉強のしようがない」と言われがちな国語。そんな国語のお悩みを、全て解決!

選択肢問題part2「細分化しよう!」ー塾で教える解法、全部見せますー

こんにちは!
お助け中学入試国語 ゆりです。

「なんとなく」を脱しよう!

前回から、選択肢問題の解法テクニックについてお話しています。
選択肢問題は、とりあえず記号を書きさえすればよいので、国語が苦手な子にとっては、非常にありがたい問題だといえます。
全く何も考えず、ヤマ勘だけでも、20~25%で正解することができるのですから。
国語が苦手な子の答案だと、漢字と言語事項を少し解いて、記述と抜出は全く書かず、とりあえず最後まで記号だけ埋めてあるといったものもよく目にします。
100点中20~30点くらいになってしまう子は、だいたいこのような感じの答案ですね。
では、60点くらいを取ることができる子の答案はどうかというと…。
記述である程度部分点を取れるし、抜出も正解するものもある。
記号は、正解と不正解が半々か少し正解が多い程度。
といった感じなのです。
実は、この両者の答案は、本質的にはほとんど変わりません。
なぜなら、両者ともに「なんとなく」解いているという点では共通しているからです。
なんとなく」解くことなく、正しい手順で分析的に問題にあたることができる子は、選択肢問題は完璧に正解することができます!
今後お話していく解法のテクニックを身に付けることで、「なんとなく」の状態を脱しましょう。

選択肢作成の難しさ

さて、具体的なテクニックをお話しする前に、選択肢作成の難しさについてお話ししたいと思います。
国語の問題を作るときに、一番難しいのが、この選択肢問題なのです。
意外に思われるかもしれませんね。
国語を専門的に学習されていない方ほど、記述問題を嫌がられます。
そのため、記述問題を作ることもやはり難しいのだと思われがちです。
しかし、実は逆なのです。
良質な選択肢問題を作ることこそが、国語の問題作成で一番我々の頭を悩ませるのです!

国語の問題に答えるときは、必ず本文中から答えの材料になるものを探します。
抜出の場合は、見つけた場所をそのまま写せばよいのです。
記述の場合は、字数制限に合わせて、見つけた場所を再構成すればよいのです。
記号選択問題は、「答えの材料になるものを探す」というステップの後に、その内容と合う選択肢を探し、ほかの不適当な選択肢を精査するという作業があります。
抜出問題は、使えそうな部分があるかどうかは文章によるため、作成は難しくありません。
使えそうな部分があればすぐ問題にできますし、そうでなければかなりの工夫が必要になります。
記述問題の場合は、ほとんどの場合は答えに使えそうな場所をそのまま形を少し変えて模範を作るだけですから、これもやはりすぐ問題を作ることができます。
しかし、選択肢問題は、複数の正解が出てしまうことを防ぐために、「必ず正解といえるもの」を作った後に、絶対に正解とは言えないが、受験生は迷うであろう選択肢を作らなければならないのです。
しかも、一定の難度を保ちながら…。
この作業が、作問者には非常にしんどいのです。

そこで、作問者が使う方法。
それが、「長い選択肢を作り、そのほんの一部分だけに誤りの要素を入れる」という方法なのです。
それまで書いてある内容がどんなに正しくとも、ある一部分だけでも間違っていれば、その選択肢全体を×にすることができます。
選択肢問題を作りやすくなるので、この方法は本当によく使われます。
問題を解くときは、この手法を逆手にとって、正解を見抜けばよいのです。

選択肢を細分化しよう!

そこで、「選択肢の細分化」を行うようにしましょう!
まずは、以下の図のように選択肢をいくつかの部分に分けます。
次に、それぞれの部分に「×」をつけていくのです。
」は、明らかに本文と同じ内容を述べているもの。
×」は、明らかに本文とは逆行しているか、全く述べられていないもの。
」は、正誤の判断がつかないもの。

f:id:masa2001to2002:20170812060956j:plain
この例だと、×が一つもついていない、イが正解ということになります。
一か所でも、明らかに×である部分を見つけることができれば、その選択肢は絶対に正解ではないわけです。
エのように、が続いていたとしても、最後で×がつけば選ぶことができないということです。このテクニックを使い始めた最初は「」をつけることが多いかもしれませんが、慣れてくればどういう内容に「×」がつくのかがわかってきます。
大切なことは、選択肢問題は「なんとなく」選択肢全体を見て答えを判断するのではなく、細分化して「ケチをつけていく」ことなのです。

2017年奈良学園中より

アメリカから来た「エイダン」には幼い妹がいます。エイダンの母は、その妹の世話につきっきりになってしまっており、エイダンのランチを用意することを忘れてしまうことがあります。
問題は、主人公の真人に対して上記のような状況を打ち明けた後、真人がエイダンに自分のサンドイッチを分け与えた部分に用意されています。

問2 -線①「エイダンは、ぼくをじっと見て、あたりをきょろきょろ見回すと、ぼくの手からすばやくとって口に放り込んだ」とありますが、このときのエイダンの様子を説明したものとして最もふさわしいものを、次のア~エから一つ選び、その記号を書きなさい。

→それぞれの選択肢を細分化しながら、×をつけてみます。

「母親と妹の愚痴をぶちまけたものの」→
「いらだちが収まらず」→
「食事をとる気にもなれなかったが」→×
「『ぼく』からサンドイッチを分けてもらえそうなので」→
「『ぼく』の真意を測りかねながらもその厚意に甘えようとしている」→

「これまでの学校生活でやりたい放題にしてきた自分が」→
「『ぼく』に同情されてまでサンドイッチを分けてもらうことは屈辱的だが」→×
「何か食べたいという欲望を抑えられなくて」→
「その申し出を受け入れざるを得なくなっている」→

「妹との関係をめぐってさびしさを感じながらも」→
「周囲には意地を張ったような態度をとっていたが」→
「思いもよらず『ぼく』からサンドイッチを分けてもらえることになり」→
「周りの目を気にしながらもその親切心を受け入れている」→

「母親に昼食すら準備してもらえず空腹を抱える毎日が続いていたために」→
「『ぼく』がいきなりサンドイッチを差し出したことを不審に思いつつも」→
「ようやく食べ物にありつくことができた幸福感で我を忘れている」→×

といった感じです。
アイエの選択肢には一つずつ×の部分がありましたから、多少の場所が残っていたとしても、正解はウであるとわかりますね。

おわりに

いかがでしょうか?
一度、お子様の解かれたテストの問題用紙をご覧になってください。
今回お話ししたような、細分化と分析ができている解答用紙は少ないと思います。
「なんとなく」で解いている限りは、六割~七割の壁を超えることはできません。
「長い選択肢をいくつかに分ける!」
「分けた部分に〇×△をつける!」

圧倒的に国語を得意にするためにも、また、苦手な子が少しでも正解の可能性を高めるためにも、「細分化と分析」を繰り返し、このテクニックを自分のものにしていただきたいと思います!



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皆様とお子様が、笑顔で中学入試を迎えられますように。

お助け中学入試国語 ゆり