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選択肢問題part1「基本をおさえよう」-塾で教える解法、全部見せますー

こんにちは!
お助け中学入試国語 ゆりです。

選択肢問題を正解するには

今回から、「選択肢問題」「抜出問題」「記述問題」の形式ごとの解法テクニックをお話していきたいと思います。
さて、お子様は選択肢問題がお好きでしょうか。それともお嫌いでしょうか。
おそらく、このような答えが返ってくると思います。
「記述は嫌いだし、それに比べると、選べばいいだけだから、楽かな」

気持ちはわかりますが、それは大きな間違いです!
国語の専門家から言わせると、実は記述問題よりも選択肢問題のほうが面倒な場合が多いのです。
今回から何回かに分けて、選択肢問題の難しさと、それをどう解きほぐすかについてお話をしていきたいと思います。

選択肢問題の作り方

当たり前のことですが、入試問題の裏側には、それを作成した学校の先生がいらっしゃるわけです。
どのような意図を持って、どのような目的でその問題は作成されているのでしょうか。
「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」
孫氏の有名すぎるほどの言葉です。
この言葉通り、まずは選択肢問題をしっかり分析していきましょう!

正答率から考えよう

まず、入試問題とはどのような性格を持っているのでしょうか。
一言でいうなれば、それは「選抜」ということです。
その学校の求める学力以上のものを持っている子かを確かめ、受験生を合格者と不合格者に分けるということですね。
当然、易しすぎる問題も、難しすぎる問題もよくありません。
満点が連発してしまえば、正しく能力を計ることはできませんし、0点が連発してもいけません。
塾の先生がテストを作るときもそうなのですが、正答率はだいたい60%から70%を目指します。
今後お話ししますが、記述問題は完璧な解答を作れず、全く書けないか、もしくは部分点だけを取ってくる子がほとんどです。
また、抜出問題は答えの場所が予測しにくい場合があるため、正答率もまた予測しにくくなる傾向があります。
記述・抜出ばかりだと、よっぽど問題を練るか、もしくは受験生の能力が高度であるかでないと、安定した正答率は見込めません。
そこで、選択肢問題を使用するわけです。
なぜ、選択肢問題は正答率を安定させやすいのか?
その仕組みは、問題作成のプロセスにあります。
次に、選択肢問題作成のプロセスを紹介します。

選択肢問題作成のプロセス

選択肢問題を作る際は、次のような流れが一般的です。

①正解を作る

②正解に近いが、微妙に違う選択肢を一つ作る

③明らかな誤答を二つ用意する

これらを、順に見ていきましょう。

正解を作る

まずは、模範解答となる選択肢を一つ作ります。
本文の内容をそのまま使えば難度は下がりますし、本文の内容を表現を変えて作ると難度は上がります。
正答率を上げたい場合は本文とほぼそのままで、下げたい場合は表現の変化の度合いを大きくすればよいのです。

正解に近いが、微妙に違う選択肢を作る

次に、正解と近い、受験生を迷わせるための選択肢を作ります。
正解とするには必要な要素が入っていないため、×とまではいえないが、△になりそうなものです。
正答率を挙げたければ、この選択肢を作らず、明らかに違う選択肢を正解以外の全てにすればよいのです。
逆に正答率を下げたければ、微妙な選択肢を正解以外の全てにすればよいのです。(勇気と技術が必要ですが…)

明らかな誤答を用意する

最後に、明らかに正解とは言えない選択肢を用意します。
本文とは全く反対であったり、「全く」「絶対に」といった「100%」を匂わすキーワードを入れたりすると、正解ではなくなります。
これらの選択肢は、国語の苦手な子は選んでしまうかもしれませんが、ある程度できる子であれば消去してくれます。
もし正答率を下げたければ、微妙な内容の選択肢を作ればよいのです。


以上のプロセスで問題が作られていることを知っておけば、対策は簡単です。
作成のプロセスとは逆のプロセスをたどって、正解にたどり着けばよいのです!

2017年奈良学園登美ヶ丘中より

具体例を使ってご説明しましょう。
2017年の奈良学園登美ヶ丘中の物語文、問7です。
プールの授業で、陰口を言われた主人公が、相手とけんかになります。
その後、相手にけがをさせた主人公だけが先生に叱られ、祖母がけんか相手の親に謝罪の電話をすることになった場面です。

問7―線⑦「あたしのほうにむきなおったばあちゃんは、にっと銀歯をみ見せて笑った」とありますが、このときの「ばあちゃん」の気持ちを説明したものとして最も適当なものを次の中から選び、記号で答えなさい。

まずは、明らかな誤答を見つけます。
「100%」を匂わす表現があれば、その選択肢は不正解と思ってよいでしょう。
今回は、「ア 先生のことが嫌いで反抗的な態度ばかりとっている」が不適当です。そもそも文章の一部分しか切り取っていない入試問題なのですから、「ばかり」は言い過ぎです。

次に、微妙に違うものを選びます。
―線部の前で、祖母は、主人公が気持ちを高ぶらせてしまうことがあることを認めつつ、あとで反省している様子を先生に述べて弁護しています。
さらに、主人公が相手を傷つけたことは間違いないわけですから、「ウ …口では謝りながら、心から謝っていないことを示して」や「エ 本当は自分も相手の方が悪いと思っている」という流れは不適当です。
ということで、答えは残ったイではないかと考えられます。
イは「孫の透子が友達を傷つけてしまったのにはきっと理由があり、もう十分に反省していると見抜いて、これ以上落ち込むことはないと安心させようとしている。」とあり、ぴったりと合っています。

おわりに

いかがでしょうか?
選択肢問題は、きちんと考えれば100%正解できます。
しかし、意外と多くの受験生が「なんとなく」文章を読み、「なんとなく」問題を読み、「なんとなく」選択肢を見て、「なんとなく」答えているのです。
この状況から頭一つ抜きんでるためには、正しいアプローチを学習する必要があります。
丁寧に正解を探るためのテクニックとして、「明らかに違うもの」を見つけ、「微妙なラインのもの」と「正解と考えられるもの」を絞り込むという発想を持つだけでも、正解する可能性はぐんと高まります!
ぜひ、試してみてくださいね。
選択肢問題攻略に向けて、がんばりましょう!


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お助け中学入試国語 ゆり