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漢字の書き取り「問題のレベルを見抜こう!」ー塾で教える解法、全部見せますー

こんにちは!
お助け中学入試国語 ゆりです。

漢字の書き取り問題のレベルを見抜こう!

これまで12回にわたって、選択肢問題・抜き出し問題・記述問題と、読解問題のレベル設定のお話をしてまいりました。
入試問題とはいえ、全てが難しい問題というわけではありません。
中には、その学校を受験する90%以上の受験生が正解するような問題もあるのです。
大切なことは、レベルの問題を確実に合わせること。
そして、レベルの問題には、よっぽど自信がある場合以外は手を出さず、レベルの問題を一問でも多く合わせること。
以上2点をきちんと意識して対策をした受験生に、合格が待っているのです。

さて、今回は「漢字の書き取り問題」です!
漢字の覚え方については、以前の記事でも触れました。

www.otasukekokugo.com
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漢字の書き取りは、「大嫌いだ!」という子が多いです。
同じ漢字を何回もノートや漢字ドリルに写す、機械的な作業…。
反復の先にその字が肉体化することも否定はしませんが、それだけでは単に一文字・一単語を覚えるだけにとどまりがちです。
しかし、漢字の成り立ちを理解した上で、「論理で覚える」ことをした子は、その単語を身に付けるだけでなく、知らない言葉でも応用して正解を導き出すことができるのですね。

入試問題の漢字にも、レベルのものもあれば、のものもあります。
塾で学習する漢字ドリルを一通り身に付ければ、レベルは正解することができるようになります。
レベルは、どれだけ学習した子でも初見の場合があるので、論理的に漢字を乗せる訓練をしておく必要があります。

漢字の書き取り問題のレベルはどう決まる?

それでは、漢字の書き取りのレベルはどう決まるのでしょうか?
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この表は、漢字の書き取り問題のレベルを確定するときに私が使用しているものです。
が最も易しく、が最も難しい問題ということです。
次に、項目ごとの説明をします。
「生活近」…その言葉が、小学生の生活の中によく出てくる場合。
「生活遠」…その言葉が、小学生の生活からは遠く、あまり日常では目にかからない場合。
「同音訓少」同音異義語・同訓異字が少ない場合。
「同音訓多」同音異義語・同訓異字が多い場合。
「推測〇」…その言葉が、小学生の生活とは縁遠いとはいえ、文脈から漢字の推測がしやすい場合。
「推測×」…その言葉が、小学生の生活とは縁遠い上に、文脈から漢字の推測もしにくい場合。

以上のような点から漢字の書き取り問題を分析し、問題をADの四つのレベルに分類するのです。
は90%の受験生が正解するもの。
は70%の受験生が正解するもの。
は40%の受験生が正解するもの。
は正答率が20%を切るもの。
このように問題にレベルをつけると、テスト全体の正答率の予測を立てることができます。
例えば、ADまで、それぞれ5点の問題を5問ずつ用意すると…
→5点×5問×90%=22.5点
→5点×5問×70%=17.5点
→5点×5問×40%=10点
→5点×5問×20%=5点
となり、予測正答率は55点となるわけです。

入試問題に当てはめてみよう

中学入試の漢字の書き取りには、二種類の出題方法があります。
一つは、物語文・論説文などの素材文の中で使われている言葉を書きとらせるもの。
もう一つは、独立した大問を用意し、独自に漢字の書き取り問題を作るもの。
レベルの問題は、後者の方が作りやすいです。
素材文の中に、偶然にも、「小学生の学習配当漢字を使っていて、それでいて小学生の語彙レベルを超えている」という都合のいい言葉がそうそうあるわけではないので、当然と言えば当然ですね。
ですから、前者の出題方式を取る灘中学校は、漢字の書き取り問題のレベルはそれほど高くありません。レベルAの問題なども多いのが、意外に思われるかもしれません。
灘中学校に次ぐ、関西の最難関男子校の一つである東大寺学園中学校は、後者の出題方式を取っているため、その難度は全国でも最高レベルです。

このような、出題レベルと出題傾向を知っておくと、次のような対応ができます。
「自分の受験する学校は、文章の中の言葉を漢字に直させる問題が多いから、それほど難しいものは多くない。だからこそ確実に得点しなければならない」とか、「この学校の漢字の書き取りは、独立した大問として作られており、同音訓が多いものがある。ふだんからどの漢字を使うかを文脈から判断する意識を持とう」といったような、傾向と対策の分析につながるということですね。

それでは、具体的に入試問題を使用して、漢字の書き取り問題のレベルを見ていきましょう。

レベル

・2017年灘中より
→欠点をバネにした偉人たちのギャクテンゲキ(逆転劇)
→祖母の家のヤネウラ(屋根裏)
→日がれる(暮)

どの言葉も、小学生の生活と近い言葉です。
「目にしたことがある」レベルを超えて、「使用したことがある」子も多いでしょう。
また、どの言葉も同音異義語・同訓異字は多くありません。
灘を受験する子だけではなく、一般的な中学受験生であれば十分正解できる問題だといえます。

レベル

・2013年四天王寺中より
→地位をカッコたるものにしていった(確固)
・2014年東大寺学園中より
→もどってきたお金をジュリョウした(受領)
・2013年東大寺学園中より
→君とぼくはムニの親友だ(無二)
・2017年六甲学院中より
→病状がカイホウに向かう(快方)

「確固・受領・無二」については、同音異義語はありませんが、小学生の生活からは遠いです。しかし、文脈から漢字を推測しやすいため、レベルとなります。

また、「快方」については、中学受験生であれば一度ならず目にしたことがあるはずの問題です。ですから、生活とは近いと考えられます。
しかし、「カイホウ」には「開放・解放・解法・会報」と、同音異義語が多いため、ひっかかる受験生もいるでしょう。ですから、レベルとなります。

レベル

・2016年洛南高附中より
チョウドヒンにしても床の間の置物にしても(調度品)
・2017年清風南海中より
→好評をハクスル(博する)

どちらも、小学生の生活からは遠いです。同音異義語・同訓異字はそれほど多くありませんが、文脈からの漢字の推測は困難です。よってレベルとなります。

レベル

・2015年東大寺学園中より
シンシュの気質に富んだ人(進取)
・2013年東大寺学園中より
→あの人はすぐ上司にチュウシンする(注進)
・2017年東大寺学園中より
→直情ケイコウな性格(径行)

先ほども述べたように、東大寺学園は独立した大問を用いて漢字の書き取りをさせるため、難度が非常に高いです。
どの問題も、「生活から遠い」「同音異義語もいろいろある」「推測も不可能に近い」ということで、レベルはとなります。偶然知っていたか、それぞれの読み方の漢字をとりあえず乗せてみたら正解したといった感じでしょう。

おわりに

いかがでしょうか?
単に漢字の書き取りと言っても、レベルは様々なのです。
まず必要なことは、塾のテキストを用いて、基本的なレベルAやBのものを確実に身に付けること!
その上で、文脈から漢字を推測して、知らない言葉でも正解することができるレベルCやDの問題を少しでも正解すること!

以上二点を意識して問題分析をしましょう!


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お助け中学入試国語 ゆり