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選択肢問題part3「落とし穴を見ぬこう!」ー塾で教える解法、全部見せますー

こんにちは!
お助け中学入試国語 ゆりです。

間違いの選択肢を見ぬこう

二回前の記事で、選択肢の作り方についてお話しいたしました。
その順序は…
①正解を作る

②正解に近いが、微妙に違う選択肢を一つ作る

③明らかな誤答を二つ用意する

というものでした。

今回は、②と③のステップにおいて、どのように誤答になる選択肢を作るかをお話ししたいと思います。

正答率との関係

選択肢問題では、正解が一つであること(二つ選べ、の場合は二つ)が絶対条件となります。
正解と判断できるものが複数できてしまうと、作問ミスということになります。
ですから、確実に正解と言えるものをまずは一つ用意して、その後に、どこかでケチを付けられそうな選択肢を作って行くわけです。
その際、正解か不正解かが微妙なものばかりを作ってしまうと、正答率がぐっと下がってしまい、全体の正答率を予測しにくくなってしまうのです。
したがって、問題を解く我々は、次の二点を意識して問題を解く必要があります。
まずは、どこかに落とし穴があること。
そして、どのような落とし穴があるのかということ。

あらかじめ、これらの「ミスを誘う点」を知っておけば、落とし穴に引っかからないのは道理ですね。

間違いの選択肢の種類は?

それでは次に、間違いの選択肢にはどのようなものがあるかを整理してみましょう。

本文中に全く書いていない

2016年須磨学園中より
問八 本文の内容と合致しているものを次の中から一つ選び、番号で答えなさい。
誤答「2 人間らしい人間になることが現代社会を生き抜くための最も有効な手段であるが、その過程は猿の社会の文化と大きくかかわっていることに人間は思いのほか気づいていない。」
→選択肢前半の「人間らしい人間に~手段であるが」の部分は、本文中にそのまま書いてある内容。
しかし、後半の「その過程は猿の社会の文化と大きくかかわっていること…」の部分は、本文中に全く書かれていない。

本文とは反対の内容

2016年智辯学園和歌山中より
問三 -部①「熱い何か」とあるが、これを具体的に説明したものとして最も適切なものを次の中から選び、記号で答えなさい。
誤答「ア 他人事だと思って、勝手な考えを押しつけてくる『おばさん』への激しい怒り。」
→主人公は、-線部の前後で「おばさん」に「やるって言ってみなさい」と啓発され、その後に「二人で笑った。不思議と何とかなる気がしてきた」とあるため、「熱い何か」とは、プラス方面の心情であると考えられる。
つまり、マイナス方面のものは正反対の内容であるため、不適当であると考えられる。

本文に書いてあるが、問われた内容とはズレている

2017年東大寺学園中より
(二)-線部①「情報も同じです」とありますが、どういうことですか。その説明として最も適当なものを、次のア~エの中から一つ選んで、その記号を書きなさい。
誤答「ア 栄養バランスのとれたサプリメントだけの食事が味気ないのと同じように、簡単に手に入りすぐに活用できる情報のみを選んで取り入れるだけでは、生きる喜びは得られないということ。」
→この問題は、何が「情報」と同じなのかを考えるところから始める必要がある。
正しい内容は、-線部直前の「食べたものは大半が体から排出されます。そして、ごく一部が血肉になります。」という部分であるから、ウが正解になる。
しかし、アの「栄養バランスのとれたサプリメントだけの食事が味気ないのと同じように」の部分は、前の段落の要点である。
この部分は、本文中にはあるのだが、-線部①とは関係のない内容であるから、不適当であるといえる。

言い過ぎ表現がある

2017年奈良学園登美ヶ丘中より
問7―線⑦「あたしのほうにむきなおったばあちゃんは、にっと銀歯をみ見せて笑った」とありますが、このときの「ばあちゃん」の気持ちを説明したものとして最も適当なものを次の中から選び、記号で答えなさい。
→「100%」を匂わす表現が「言い過ぎ表現」であると考えられる。
今回は、「ア 先生のことが嫌いで反抗的な態度ばかりとっている」が不適当。そもそも文章の一部分しか切り取っていない入試問題なのだから、「ばかり」は言い過ぎとなる。

答えの内容が書いてあるが、論理関係がズレている

2016年同志社香里より
問六 この文章の内容に合うものを次から二つ選びなさい。
誤答「1 シカの駆除がおこなわれるようになってから、シカの数のバランスが崩れてきた。」
→「シカの駆除がおこなわれる」という内容は書いてあるし、「シカの数のバランスが崩れてきた」という内容も書いてある。
しかし、バランスが崩れた理由は本文中には書いておらず、「理由はよくわかっていない」と述べてある。
ゆえに「駆除→バランスが崩れる」という論理の組み立てがおかしいと考えられる。

方向性は同じだが、細かなズレがある

2017年大阪星光学院中より
問3 -線部②「わざと目をそらして、顔淵の方を見た」とありますが、なぜ孔子はこのようにしたのですか。その理由として最も適当なものを次の中から一つ選び、記号で答えなさい
孔子は、弟子である顔淵と子路を比較した時、子路の方が浅はかであることを案じ、子路を諭そうと思ったと書いてある。
ここから、正解は「ウ よく考えもせずに自分の思いを述べようとする子路をおさえて、顔淵のように深く考えさせようと思ったから。」となる。
孔子は、顔淵を評価し、子路を反省させようとしているのだから、顔淵が中心となる選択肢は、たとえ流れに合っていたとしても、不適当と言える。
誤答は「ア 立身出世することばかりを考えている子路の理想よりも、顔淵の深い考えに基づいた理想を聞きたかったから。」となる。

おわりに

いかがでしょうか?
選択肢の誤答の種類について、理解していただけたでしょうか。
今回お話ししたような誤答の種類があるということを知った上で選択肢問題を解くことができれば、前もって「落とし穴」に対する対策を立てることができます。
当然、誤答にひっかかることも少なくなるわけですね。
選択肢問題でひっかかってしまう方は、テスト直しなどをするとき、自分がひっかかった選択肢が、上記のどのパターンの誤答であるかを分析してみましょう!





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お助け中学入試国語 ゆり